CDレビュー: Hilary Hahn(Vn), Bach - Concertos (DG111 CD23)
★★★★☆
DG111シリーズの23枚目です。珍しく比較的最近のアルバムでした。2003年発売。
バイオリニストのヒラリー・ハーン(1979-)さんはドイツ系アメリカ人。ユダヤ人ではありません珍しい。演奏当時は20代前半とかなりの若手ですね。曲は全部バッハです。バッハのアルバムは今仕事中に無限ループしてますので今日まで通った歯医者のBGMがバッハだったりするとそれだけで燃えるくらい好きです。
ハーンさんのバイオリンは上手ですね。氷の上を滑っていくような音を出します。バッハの個人的なことについては全然知らないので想像で書くしかありませんが、彼は神に何百曲もの大量のカンタータをささげるような人間ですのでこれらの曲にも宗教的敬虔さが籠められているはずです。なのでこんな透明に演奏すると熱狂的とか一途さとかそういうことからは離れているように思います。近代都市的清潔さ、環境音楽的に楽しんで聞く分には優れていますが、自分としては、もうちょっと狂ったようなって言うか、パッションがほしいなあ。これはこれでありなんだけれども。
やっぱ曲から受けた印象通り、雪の女王って感じでしたね。
ドイッチェグラモフォンのベスト盤であるこのボックス、2009年に出たものなのですが今年の12月に再販されるされるみたいですよ。
ボックスセットは良いです。1枚当たりの単価が安いしいつまでも聞き続けられます。今のペースだと5年くらい聞けるんじゃなかろか。このシリーズ、当ブログで1枚目からずっと取り上げていますがおおむね好評価です。
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