暴落時に考える個人投資家の利点
中国バブル崩壊により日本株がえらいことになってます。引け後に改めて記事を書きます。
機関投資家は規模が大きいが、制限も大きい
Intelligent Investor(賢明なる投資家)にも書いてあったことですが、機関投資家は多数の出資者からお金を預かって資産運用をする機関です。ということは、扱える金額の多寡が出資者に左右されるということです。これは機関投資家を縛り付ける最も大きな鎖です。出資者が資金を引き上げたいならそのリクエストに応えなければいけませんし、逆に市場から逃げ出したくても、出資者が拒めば引き上げられません。その上、金額が大きいため売買がなかなか成立しません。
すなわち、機関投資家の扱うことができるお金は流動性が低いのです、上げ相場では巨額の利益を得たり、昨日のように下げ相場でちょっとしたイナゴタワーを作ることもできます。しかし、下げ相場で大きな金額を動かすことは手数料の面を考えても容易ではありません。機関の規模が大きければ大きいほど、今回のような下げ相場でまともに被害を受けることになります。「賢明なる投資家」には、アメリカの数々のファンドがその足枷のために巨額の損失を抱える資料が載っています。
個人投資家の利点は、フットワークの軽さ
これに対して個人投資家は小規模です。尊敬の対象となる「億り人」と呼ばれる人でさえもその資産はせいぜい数億円にすぎません。これは、市場の様子がおかしいと思ったら即撤退できるという素晴らしい利点があるのです。数億円程度なら、よほどの小型株か流動性が極めて低い銘柄でない限り売買が1日のうちに成立します。今回のような大型下げ相場が来た時すぐに撤退して、崩壊する相場を他人事で観察し、その後余裕をもって超大バーゲンセール会場を物色することができるのです。
もちろん、下げ相場を察知する力、欲に溺れず冷静に状況を観察し行動する力が必須です。すべての責任は自分にあります。
「小さい」ということは「素早い」という大きな利点があります。この利点を最大限に発揮していくしか我々に生き残る道はありません。