CDレビュー: 75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD11) Igor Stravinsky, Bernd Alois Zimmermann, Heinz Holliger, Helmut Lachenmann, Andreas Raseghi
★★★☆☆
CDが進むごとに難解になっていきます。2曲目は弦で遊んでいるようにしか聞こえないし、3曲目は音階ゼロの雰囲気だけで押しきる曲、4曲目は長いだけ。1、5~7曲目のみ既存の音楽受容の枠組みでなんとか「音楽」として聴ける(それでもすごく苦しい)範囲の楽曲でした。
いったい音楽に「形式」や「パターン」は必要なのでしょうか。これらを取り去ると音は我々の認識からかけ離れたものに変化します。一定の秩序を与えて私たちは音楽を聴くことが可能になります。今までに聴いたことのある音の組み合わせをもって、我々は「快い」と感じます。しかしそれはただの慣習なのではないでしょうか。慣れ親しんだ一定の文法規則をなぞっているだけではないのでしょうか。そう考えて、現代音楽家は誰も聞いたことがない曲の発明に熱心に取り組んだのだと思います。
その結果、人間に理解不能な音がたくさん生まれました。ハッキリ言って聴くのが辛いです。「快」を感じられません。しかしこのような曲にまた「慣れる」ことで新しい音楽文法を体得できるのではないかと考えます。しかし「慣れて」しまったら彼らの試みは原理的に失敗するのかもしれません。そんなことを考えながら聴いていました。音を素直に聴くのは難しいです。
4曲目は米国amazonで視聴できます。評価高いです。全く分かりません。
Track List:
1
In Memoriam Dylan Thomas, dirge-canons & song for voice, string quartet & 4 trombones
Igor Stravinsky
2
Sonata, for solo viola
Bernd Alois Zimmermann
3
Pneuma, for orchestra
Heinz Holliger
4
Schwankungen am Rand, for orchestra
Helmut Lachenmann
5
Kammerquartett
Andreas F. Raseghi
6
Kammerquartett
Andreas F. Raseghi
7
Kammerquartett
Andreas F. Raseghi