六帖のかたすみ

DVを受けていた男性。家を脱出して二周目の人生を生きています。自閉症スペクトラム(受動型)です。http://rokujo.org/ に引っ越しました。

フィスコレポートを読む 8803平和不動産、2715エレマテック、3079 ディーブイエックス、3167TOKAIホールディングス、7467萩原電気、2487CDG、4718早稲田アカデミー、1301極洋、番外:パチンコ業界終了のお知らせ

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8803 平和不動産

証券取引所、オフィスビルなどの不動産賃貸やニュータウンのタワーマンションの分譲で儲ける会社です。賃貸事業が売り上げの半分を占めますが営業利益率が39.6%と異常に高いです。オフィスビルの賃貸っておいしいんですね。証券業界からの要請で生まれた歴史から、日本橋兜町再開発事業に力を入れています。この事業で多額の除却損を計上し今期は減益となっています。今後も兜町の物件を続々と取得していくそうです。証券取引所を中心として街を再開発し周辺のオフィスビルを獲得するという、面白いドミナント戦略を持っています。実質の空室率は1.4%と非常に低い水準を達成しています。

東京証券取引所ビルの賃料減額 (2015年4月から、年間約12億円の減収インパクト)

が痛く、来期は減益の見込み。賃貸収入を業とする会社に投資する際は、賃料水準にも考慮が必要なのですね。

株価は不動産業の中ではかなり高値のPER25.39倍。オフィス・証券取引所の賃料収入の安定感によるものでしょう。兜町再開発事業の損失抜きでこの数字では、お得とは言いがたいですね。

2715 エレマテック

電子材料の商社です。2012年に豊田通商が株式の半分を握り、系列会社となりました。商社にしては営業利益率4.1%とかなり高率の部類です(業界平均は2.2%)。扱う商材がスマホ・テレビ向け液晶やエネルギー関連など成長性の高い商品であり、過去5年間安定して成長を続けています。今期決算は売上高+26.8%と大幅な伸びを達成しました。

親分の豊田通商は名前通りトヨタの関連会社ですので、自動車向けの商材も取り扱っています。レポートでは自動車向け商材の今後の成長展望が今までどのレポートでも見たことがないくらい熱く語られています。中期的な成長は期待できます。

株価はアベノミクス後3倍になった後、直近の3か月間ほぼ横ばいが続いています。商社は利益率の低さと景気敏感であることからPERは1桁であることが多いので、エレマテックのPER11.4倍は商社としてはやや高めであるといえます。なお、親玉の豊田通商は例外で16.77倍と異様に高いです。

3079 ディーブイエックス

心臓ペースメーカーなどの医療機器の小売を手掛ける会社です。個人投資家に人気の銘柄です。分析については私なぞより遥かに優れた分析があるので紹介します。

2014年の記事で26期連続増収増益ということなので、今年で27期連続増収増益ですね。すごい。

決算説明会資料を見ると、2つ目虚血事業は輸入事業なので、円安リスクがあります。しかし昨今の大幅円安にもかかわらず減益幅は1%に留まりました。営業力の高さと商品の魅力の高さが感じられます。不整脈事業についても、償還価格が引き下げられ大きなマイナス要因となったにもかかわらず、それを上回る売り上げの伸びによりカバーすることができました。

なお償還価格とは、健康保険が適用されている医療機器について、国から医療機関に支払われるお金のことです。例えばペースメーカーの償還価格が12万円だとします。医療機関がペースメーカーを保険のルールに従って適正に使えば、病院に12万円が入ります。するとDVxは12万円以下でなければペースメーカーを病院に売ることができません。したがって償還価格が下がればDVxの儲けも減ります。

また、この事業ストックビジネスでもあります。ペースメーカー、虚血事業、いずれも耐用年数の高い商品ですので、アフターサービスや消耗品による利益も期待できます。医療機器という性質上、顧客が商品を手放す可能性はほぼ0です。強力なストックですね。

ニッチプロダクト、ほぼ約束されている市場の拡大と独占率の低さから、さらなる成長を期待できる優良銘柄でしょう。株価は今月に入ってから10%以上値上がりしていますが、まだPER13.96倍です。押し目買いを狙いたいところですが、そう簡単に下がらないでしょうね。。

3167TOKAIホールディングス

LPガス・都市ガス事業が売り上げの半分を占めます。じつは以前LPガスの会社がTOKAIだったことがあります。料金がめちゃめちゃ高いです。都市ガスの倍以上します。しかしマンションなので拒否権がありません。LPガス事業は生殺与奪を握れるのでウハウハなビジネスモデルですが、近年ガス原料価格が大幅に値下がりしたので同社の利益も落ち込んでいます。いい気味です。

収益性を判定するのに感情を持ち込んではいけませんね、この会社はISP事業もやっていて、2015/2/1に始まった「光コラボ」で自社の顧客をフレッツから自社光回線に鞍替えさせようと躍起になっています。ISP料1200円が光回線料5100円に化けるのだから必死です。この会社は静岡ローカル会社の趣が強いので、情弱地元民はそのまま乗り換える傾向が高そうです。

ところで光コラボについては見覚えがあります。

フィスコレポートを読む 9795 ステップ、8137 サンワテクノス、6730 アクセル、4574 大幸薬品、7502 プラザクリエイト、3393 スターティア、2915 ケンコーマヨネーズ - 六帖のかたすみ

こちらの3393スターティアですね。スターティアISPではないので、光回線を新規に売り込むことになるでしょう。しかしTOKAIのように既存ユーザーを転換させるモデルを知ってしまうと、新規売込が入る余地はほとんどないと見てよいと思います。競争激化当然予想されるので、スターティアは売上を全然あげられないのではないでしょうか。

7467 萩原電気

自動車向け電子部品を扱う商社です。主な取引先はトヨタデンソー(トヨタ系自動車部品製作の巨大企業)、仕入れ先はルネサスが7割を占めます。 最近はデータセンター事業も手掛けています。ただの商社ではなく、技術者を有し自前で製品を開発・製造したりシステム開発もできるという一風変わった企業です。

トヨタ1点集中からの事業体制の脱却が望まれます。幸い、この企業は非常に技術力が高く、他社に売り込める価値を有しています。海外向け販売が増えており、円安ブーストで業績は絶好調です。前期は純利益+32.2%を達成しました。株価は右肩上がりですが今のままではトヨタと運命を共にすることになりますから、先行きが明るいわけではありません。

2487 CDG

トップニュースが

当社の野球部が、台東区軟式野球連盟主催の夏季大会にて準優勝となりました。当社社員の遠山は『優秀選手賞』を獲得!

なのがいいですね。3月にも

アルティメット世界選手権大会 結果報告

というニュースがあります。ここは会社なのか運動部なのか。事業内容は「営業支援型商社ビジネス」と意味が分かりません。事業紹介ページから判断するとプロモもやる実務もやる、少しお節介なコンサルティングのように見えます。しかし社長のメッセージを見てようやく

当社はプロモーションで使用するグッズ製作を主力事業としています。 

ということがわかりました。具体的にはポケットティッシュ、メモ帳などだそうです。株主優待

 高級ボックスティッシュ1ケース (20箱入り) 

 だそうです。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=24260&code=2487

こういう可愛いプロモーションを作る活動が主力になりつつあります。知れば知るほど謎の企業です。株価はリーマンショック後からほぼ一貫して右肩上がりでPER25.66倍まで高騰しています。

4718 早稲田アカデミー

早稲アカは小中高まで手広く事業を手掛ける学習塾です。営業利益にはブレがあるものの、売上高は右肩上がりです。いままで3つの学習塾の資料を読みましたが、どこも好調ですね。親の保守化が見て取れます。

以前資料を読んだ明光・STEPと比べて明らかに利益率が悪いです。営業利益率が3.9%しかありません。原価と販管費が両方ともかなり高額です。CMのしすぎではないでしょうか。

売りは「早慶付属高校+開成高校の合格率NO.1」です。そのため主力は高校受験向けけですが、近年は中学受験にも力を入れており塾生数が中学生を抜いています。1997年に四谷大塚と業務提携したので、今後の目標は四谷大塚早稲アカ連合で「御三家合格率NO.1」を達成することだそうです。なお1位は昔からダントツでSAPIXです。高校生向け塾も医学部薬学部が専門であり、難関校ばかりなので原価(=講師の給料とシステム・教材費)と広告費がかさむのは仕方ないことなのかもしれません。

主要株主に明光(5位)がいます。したたかですね。

最近塾業界銘柄が突然2倍の価格になるケースが続出していますが、ここはまだ暴騰していません。もしかするとここは突然高値になるかもしれませんね。

1301 極洋

水産物を中心とする総合食品会社です。調達・加工・販売となんでもやります。養殖も遠洋漁業も物流もやります。ケンコーマヨネーズと並ぶほど企業サイトがキレイです。食品業界はこうでないといけないですね。

営業利益率は1.1%、非常に低くあまりもうかる商売ではありません。水産物事業は商社と、冷食事業は冷食メーカーと競合、常温食品は各種メーカーと競合、物流サービスは大手物流企業と競合、マグロカツオ事業も他の水産会社と商社と競合。食品業界はマーケットが大きいだけに競合だらけですね。

今期の決算説明会資料を見るとカツオ・マグロの売上が10%と大打撃を受けています。魚価の下落+コストの高騰のダブルパンチが原因です。主力の水産事業もサケの価格下落で営業利益大幅減の-38.0%となっています。食品は市場価格にも左右されて怖いですね。ちなみにサイトはキレイですがプレゼン資料は殺風景で右上の画像の位置が毎回微妙に変わるなど手作り感にあふれています。サイトを外部委託してるのがバレバレですね。

来期の目標にも魅力的な項目が見当たらずどうやったら生き残れるか心配です。

パチンコ業界終了のお知らせ

6/23に、日本株式市場とは関係ないけれどパチンコ業界についてのレポートが出ていました。大ざっぱにいうと、

  • パチンコを利用していたアホ層がみなスマホに流れてしまい客が激減した
  • 客の激減により店は収益率を高めざるを得ず出玉が悪くなり、更に客が減る負のスパイラルが起きている

ということが書いてあります。パチンコ人口は1995-2013年の18年間で1/3まで減ってしまったそうです。

 

ダイナムジャパンホールディングス(香港証券取引所

http://www.fisco.co.jp/uploads/dynamjapanholding20150623.pdf