六帖のかたすみ

DVを受けていた男性。家を脱出して二周目の人生を生きています。自閉症スペクトラム(受動型)です。http://rokujo.org/ に引っ越しました。

評価★★★★★+

書籍レビュー: たぶん当事者専用『無限振子 精神科医となった自閉症者の声無き叫び』 著: Lobin H.

★★★★★( ˘•ω•˘ ) 表紙買いです。この表紙すごく気になりました。 この本には呼ばれていたのだと思います。自閉症関連の本では現時点で最強です。 著者のLobinさんはカナー型自閉症かつ高機能、なんと精神科医です。プライバシー保護のため仮名にされているの…

書籍レビュー: マクロな世界史『世界史』 著:ウイリアム・H・マクニール

★★★★★ʕ→ᴥ←ʔ 人類発祥から現代史に至るまでの数千年を1冊で語ってしまうという本です。世界史には以前から興味があったので、まず読んでみたいと思っていた一冊でした。アウトラインだけザーッと書いてあるのかと思ったらとんでもない、見た目も内容もヘビー…

書籍レビュー: 小さき光 『紺』 著:c71

追記:『紺』電子書籍版が出版されました。 c71.hatenablog.com ★★★★★+わたしがはてなダイアリーからはてなブログに移行したのは数か月前のことです。はてなブログには人気記事一覧と言って直近のブログトップランカー四天王がトップページに表示されます。…

書籍レビュー: 第三の思考!?『自閉症の脳を読み解く―どのように考え、感じているのか』 著:テンプル・グランディン

★★★★★( ✧Д✧)パターン! テンプル・グランディン(1947-)さんの本は初めて読みます。 彼女は最も成功した部類の高機能自閉症者です。動物学博士号持ちの学者さんで、家畜が苦しまないようにという思いで「締め付け機」を開発し、北米の肉牛は彼女が開発した装置で…

CDレビュー: Ametsub - All Is Silence (2012)

★★★★★◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪⁎˚♫ Ametsubさんの最新作です。これまでの特徴である斬新な繰り返し+切ない音場という要素を極限まで洗練させ、自然音などのサンプリング音を多用するようになってさらに北の果てまでぶっ飛んで行った感のあるアルバムです。音のセンスが…

書籍レビュー: 現時点最強の思想入門書か 『ヨーロッパ思想入門』 著: 岩田靖夫

★★★★★(๑•̀ㅂ•́)و✧ 岩波ジュニア新書すごいっすね。新書ではこれが最強です。 著者の岩田靖夫さんはほんの最近(2015/1/28)に逝去された学者です。本書がヨーロッパ思想の概観書として異色なのは、ギリシャ哲学とキリスト教に全体の2/3というほとんどの紙面を…

書籍レビュー: よだれがでるよ!『人とミルクの1万年』 著:平田昌弘

★★★★★(‥ºั⌔ºั‥ ) 牛、馬、羊、、、人間が家畜の乳を利用するようになって、およそ1万年が経つそうです。この本は世界の「ミルク史」なるものを地域ごとに詳述、「北方乳文化圏」「南方乳文化圏」なるミルク文明史とも言える大胆な仮説を展開していくダイナミ…

CDレビュー: DakhaBrakha - Yahudky (2007)

★★★★★(∂ω∂) ウクライナのエスノカオス集団DakhaBrakha、1枚目のスタジオアルバムです。前回聴いたLightは3rdでした。公式サイトによると1stの前に"Na dobranich"ってライブアルバムがあるらしいんですがAmazonで取り扱いがありませんでした残念。 あ、よくみ…

書籍レビュー: ソローを取り込みたい『作家たちの秘密: 自閉症スペクトラムが創作に与えた影響』 著: ジュリー・ブラウン

★★★★★(*´﹃`*) あの作家は自閉症スペクトラムなのか 自閉症スペクトラムの疑いがある、もしくは診断を受けた作家について分析した本です。著者のジュリー・ブラウンさんはアメリカのライティングの教師で、あまり有名な人ではないようで、米amazonでも探す…

CDレビュー: Electric Wizard - Electric Wizard(1995)

★★★★★┐(´ー`)┌ 今回のロック枠ではイングランド出身のドゥーム・メタルバンド、エレクトリック・ウィザードのアルバムを順に聴いていきます。ドゥームとは「遅くて重い」ぐらいの意味で解釈しています。1993年結成、現時点でアルバムを10枚発表しています。…

書籍レビュー: 昔の人の精神に感服『名著復刻 日本児童文学館 23トテ馬車 ほか5冊』 著:千葉省三ほか5名

★★★★★ヽ( ε∀ε )ノ 児童文学読まなきゃ いくつか小説を読んで考えました。 私はそもそも子供のときに全然物語を読んでいませんでした。せいぜい道徳の授業中に内職して授業でやらない所ばっかり読んでいたくらいのものです。あとは小5の時図書室にあった「吾…

CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition - Vingt Regards sur l'Enfant-Jesus (CD3, 4)

★★★★★=͟͟͞͞(✹)`Д´) 3,4枚目は「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」という邦題です。メシアンは作曲家であるとともに神学者ですので、超敬虔なキリスト教徒でキリストが主題の曲も沢山作曲しています。なにしろ彼への眼差しを想像するだけで2時間に及ぶ大曲を作っ…

書籍レビュー: 盛者必衰の理 『ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) 』 著:塩野七生

★★★★★(つω`*) 第5巻の舞台は紀元前205年~146年です。第二次ポエニ戦争、第三次ポエニ戦争を経てマケドニア、カルタゴが滅亡し、ローマが地中海の覇者となるまでを辿ります。 戦力の非戦力化 前半の山場はやはり、カルタゴの天才策略家ハンニバルと、ハンニ…

書籍レビュー: 刺激的な数学教養書『数学入門 <上>』 著:遠山啓

★★★★★(≧ω≦) 2年生の途中までしか終えていない大学教育の水準に追いつくため、まずは数学の勘から取り戻さないといけません。そこで尊敬している遠山先生の新書、名前もそのものずばり「数学入門」という本があるというので手に取ってみました。 数学者は語学…

CDレビュー: Claudio Monteverdi, John Eliot Gardiner(cond.) - Vespro della Beata Vergine (DG111 CD18, 19)

★★★★★─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ クラウディオ・モンテベルディ(1567-1643)はイタリアの作曲家です。2枚組100分ちょいの長大なこの楽曲の邦題は『聖母マリアの夕べの祈り』。いつまで祈るんだ! クラウディオ・モンテヴェルディ - Wikipedia いい感じのじーさんです…

書籍レビュー: 発達障害者が読むと人生変わるかも『成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群』 著:広沢正孝

★★★★★(*'∀'人) 著者の広沢正孝さんは順天堂大の精神科医・教授です。専門は精神病理学・保健学。他に統合失調症関連の本も書いています。 発達障害者の精神構造を明らかにする目標で書かれた本 タイトルから一般向けの単行本的なものを想像していましたが…

書籍レビュー: ざわりとする生物学『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学』 著: D・サダヴァ他

★★★★★٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ 高校の時生物が苦手でした。覚えることが多く暗記ばかり、計算が無いしイメージできず辛い。世界史と並んで毎回赤点寸前の劣等科目でした。もちろん大学入試には使わず、うっちゃっておいた領域の一つです。 しかし食や環境の本を読むにつけ…

CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.8 - Wilhelm Backhaus(CD1)

★★★★★(*´ω`*) ヴィルヘルム・バックハウス(1884-1969)は、ドイツ出身のピアニストです。 なんとベートーベン→ツェルニー→リストの直系、師匠はオイゲン・ダルベールというリストの弟子ということでこりゃ音楽的に純血のピアニストと言えますね。そんな彼が…

書籍レビュー: 何だよ自分やっぱりアスペルガーじゃん『アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか? 大人の発達障害を考える』 著: 米田衆介

★★★★★(ノ≧ڡ≦)てへぺろ 著者の米田衆介氏は明神下診療所の院長です。実はこの人、8年ほど前に私にアスペルガー障害であると診断を下した医者です。自閉症・アスペルガー関連の書籍を探していたらなんと明神下診療所の院長が本出してる!けしからん!これは読ま…

書籍レビュー: バイオテクノロジーで世界征服 『モンサント――世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』 著:マリー=モニク・ロバン 訳:村澤真保呂、上尾正道

★★★★★(・:゚д゚:・)ハァハァ 聞いたことがありますかモンサント。全世界の遺伝子組み換え企業の総本山としてよく知られた企業です。本書はモンサントについて著者が4年に渡る調査を行った結果として書かれた本です。 圧倒的情報量を訳者がさらに補強 まず本書の目玉…

書籍レビュー: 砂穴の中にいるのは私達だった 『砂の女』 著: 安倍公房

★★★★★(°ω°) 私は小説をあまり読んでこなかったので、まず一般的に強く勧められている作品から読んでいきます。自分の好みなんてものは嫌でも後でついてくるでしょうから、当面のあいだは何も考えず受動的に「有名な」ものを読みます。という気持ちでこの小説…

書籍レビュー: 感染症を見る目が変わる『感染症と文明―共生への道』 著: 山本太郎

★★★★★(*´ω`*) 著者の山本太郎さんは小沢一郎と組んだあの人ではなく、アフリカやハイチなどで感染症対策に従事した経験を持つ医師です。 「感染症」をキーワードとして読み解く人類史 狩猟生活から農耕生活に人類が移行したため、単位面積当たりの人口が増…

CDレビュー: Enrico Pieranunzi - Seaward (1995)

★★★★★(TωT) ピエラヌンツィさんのComplete Remasteredシリーズで聴き忘れがあったので、聴きました。次のボックスの5枚目です。 胸を切り裂くピアノ 切ない!切なすぎます!これを聴き忘れてたなんてもったいない!心に傷が無くても傷を負い、傷があればカサ…

書籍レビュー: きっと、楽になれる 『ひとを「嫌う」ということ』 著: 中島義道

★★★★★_(┐「ε:)_ ひねくれた哲学者による「嫌い」論 著者の中島義道(1946-)さんは、ドイツ哲学者?です。しかし彼は学者という言葉が嫌いで、反社会的な面の強い異端な人です。それもそのはず、大学を卒業するのに12年かかる、東大助手から何故かぶっ飛んで電…

CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.7 - Vladimir Ashkenazy(CD1)

★★★★★ʕ→ᴥ←ʔ ウラティーミル・アシュケナージ(1937-)はソ連出身のユダヤ人ピアニストです。ユダヤ人は音楽家にいったい何人いるのでしょうね。 ご存命で、70年代以降は指揮者としても活躍しています。このジャケットでは繊細そうな若者ですが、今の姿もナイス…

CDレビュー: The Rough Guide To Music Of Gypsies(1999)

★★★★★=͟͟͞͞(๑•̀=͟͟͞͞(๑•̀д•́=͟͟͞͞(๑•̀д•́๑)=͟͟͞͞(๑•̀д•́ ジプシー ジプシーとは、Egipcienを縮めてgypsy、「エジプトからやってきた人」という意味です。「ジプシー」という表記は自称ではなく他称でしかも差別的な意味合いがあるそうなので、自称の「ロマ」…

CDレビュー: J.S.Bach, Pierre Fournier(Vc) - Cello Suites (DG111 CD14, 15)

★★★★★(*´ω`*) ピエール・フルニエ(1906-1986)によるバッハ無伴奏チェロ組曲集(全曲)です。2枚組138分とかなりのボリュームです。第一番の前奏曲は非常に有名ですので、聞いたことがある方は多いでしょう。私も昔テレビCMで聞きました。 www.youtube.com バ…

書籍レビュー: 定番かつ優れた人生論・自己啓発書!『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』 著: スティーブン・R・コヴィー

★★★★★(・ω<)☆ 大ベストセラーの評判通りの良書 本書は世界で3,000万冊、日本でも180万冊売れている書だそうです。私は人生哲学・自己併発系の書籍を読むのは初めてです。win-winという言葉は代ゼミの講師が良く利用していたので聞いたことがありましたが、こ…

CDレビュー: The Rough Guide to Tango (1999)

★★★★★\( *ω*)┓ 2連続で個人的にヒットしました。 タンゴとは主にアルゼンチンやウルグアイで演奏されるダンス曲です。必ずバンドネオンの演奏があり、ほぼ例外なく泣き系のマイナー調です。 以前から家に↓のアルバムがあり、ピアソラのことは知っていました…

CDレビュー: Dave Weckl Acoustic Band - Of the Same Mind (2015)

★★★★★(๑˃̵ᴗ˂̵)و Dave Wecklさんはアメリカのジャズドラマーです。昔はチック・コリアのバンドで有名だったらしいですが、私は彼がソロになってからのアルバムしかまだ聞いたことがありません。この人の演奏は異常に手数が多い上に正確で安定していて好きでし…