六帖のかたすみ

DVを受けていた男性。家を脱出して二周目の人生を生きています。自閉症スペクトラム(受動型)です。http://rokujo.org/ に引っ越しました。

[自閉症・発達障害・精神病]

書籍レビュー: わかりやすく情報も的確 『図解 よくわかる大人のADHD』 著:柳原洋一、高山恵子

★★★★★ ぼくは小学校の時多動でした。授業中にはじっとしていないし、質問される前に答えをすぐ言ってしまうこどもでした。運よく、小学校の担任が多動を面白がってくれる教師だったので、嫌な思いはせずにすみました。 中学校に入って多動は治まっていたと考…

書籍レビュー: 社会リズムを安定させる『対人関係療法でなおす 双極性障害』 著:水島広子

★★★★☆ 双極性障害は概日リズムに大きな影響を受けます。一度睡眠不足になると大抵は躁の症状が出るので、睡眠時間の確保が重要となります。 本書はさらに「社会リズム」という概念を導入し、転居・トラブル・人間関係のストレスなどをリズムの乱れとみなして…

書籍レビュー: 自傷は戦いの履歴だ『自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント』 著: 松本俊彦

★★★★★ ぼくには自傷について「他人にアピールするためもの」という偏見がありました。間違っていました。 著者の考える自傷の定義は次の通りです。 「自傷とは、自殺以外の目的から、非致死性の予測をもって(「このくらいであれば死ぬことはないと予測して…

書籍レビュー:『双極性障害(躁うつ病)の人の気持ちを考える本』 著:加藤忠史

★★☆☆☆ 初めて知る人にはいいと思いますが通り一遍のことしか書かれておらず新しい知見を得ることができませんでした。躁状態にあまりスポットが当たっていないことと薬の情報が全然ないことが不満です。 こちらをお勧めします rokujo.hatenadiary.com

書籍レビュー: 実務寄りでバランスの取れた入門書『躁うつ病はここまでわかった 第2版』 編:加藤忠史

★★★★★ ここのところ仕事が詰まっていて時間が取れませんでしたが何とか読めました。 躁うつ病の簡単なイントロから薬物、治療法、体験記とQ&Aからなる躁うつ病の入門書です。編者の加藤先生が書いている「躁うつ病の原因はどこまでわかったか」「躁うつ病Q&A…

書籍レビュー: わかりあえてない『一緒にいてもひとり―アスペルガーの結婚がうまくいくために』 著:カトリン・ベントリー

★★☆☆☆ タイトルに惹かれました。 オーストラリアに旅行中だったスイス人の著者カトリンとオーストラリア人のギャビンが出会い数日で恋に落ち、結婚したところから物語が始まります。 著者の夫ギャビンは天才型のスペクトラム星人です。会計の仕事も投資も超…

書籍レビュー: よくわからなかった『よくわかるパニック障害・PTSD』 著:貝谷久宣

★★☆☆☆ 恥ずかしながらほとんど知識がないので入門書っぽいものをセレクトしました。 パニック障害についてはこれといった原因は分かっていません。人間が恐怖や不安から回避するための機能の誤作動と考えられています。まだ仮説の段階です。動悸・息切れ、過…

書籍レビュー: たぶん当事者専用『無限振子 精神科医となった自閉症者の声無き叫び』 著: Lobin H.

★★★★★( ˘•ω•˘ ) 表紙買いです。この表紙すごく気になりました。 この本には呼ばれていたのだと思います。自閉症関連の本では現時点で最強です。 著者のLobinさんはカナー型自閉症かつ高機能、なんと精神科医です。プライバシー保護のため仮名にされているの…

書籍レビュー: 2002年の自閉症認識『ぼくはうみがみたくなりました』 著:山下久仁明

★★☆☆☆ 自閉症の青年・淳一と女の子、老夫婦を軸に展開する小説です。 随所に現れる淳一のこだわりエピソードの描写の細かさから、施設の人か親かどちらかだなぁと思っていたらやはり、作者は自閉症の息子の親でした。文章全体から啓蒙思想が強く感じられます…

書籍レビュー: 第三の思考!?『自閉症の脳を読み解く―どのように考え、感じているのか』 著:テンプル・グランディン

★★★★★( ✧Д✧)パターン! テンプル・グランディン(1947-)さんの本は初めて読みます。 彼女は最も成功した部類の高機能自閉症者です。動物学博士号持ちの学者さんで、家畜が苦しまないようにという思いで「締め付け機」を開発し、北米の肉牛は彼女が開発した装置で…

書籍レビュー: ソローを取り込みたい『作家たちの秘密: 自閉症スペクトラムが創作に与えた影響』 著: ジュリー・ブラウン

★★★★★(*´﹃`*) あの作家は自閉症スペクトラムなのか 自閉症スペクトラムの疑いがある、もしくは診断を受けた作家について分析した本です。著者のジュリー・ブラウンさんはアメリカのライティングの教師で、あまり有名な人ではないようで、米amazonでも探す…

書籍レビュー: システム化しまくれ!『自閉症スペクトラム入門―脳・心理から教育・治療までの最新知識』 著: サイモン・バロン=コーエン

★★★★★ 自閉症スペクトラムの最新知識が欲しかったのでこの本は読んでみたかったです。ようやく手に入れました。さまざまな医師の間で必ず話題に上る著者サイモン・バロン=コーエンさんの日本語の書籍の中では一番新しいと思われます(でも2011年出版、原著…

書籍レビュー: 心は4分割できるか『心の理論』 著:子安増生

★★★☆☆ 他人の心を読む仕組み 著者の子安増生さんは教育学者。幼児・児童の認知心理学・発達心理学が専門のようです。 本書で紹介される「心の理論」とは、「他人の心を読むしくみ」のことです。自己の心的作用の成り立ちを示している本ではありません。自閉…

書籍レビュー: 発達障害者が読むと人生変わるかも『成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群』 著:広沢正孝

★★★★★(*'∀'人) 著者の広沢正孝さんは順天堂大の精神科医・教授です。専門は精神病理学・保健学。他に統合失調症関連の本も書いています。 発達障害者の精神構造を明らかにする目標で書かれた本 タイトルから一般向けの単行本的なものを想像していましたが…

書籍レビュー: 先生ちょっと美化入ってます!『ぼくらの中の発達障害』 著: 青木省三

★★★☆☆ 広汎性発達障害や関連する精神病・心理学については考えるヒントにするためたくさん読みます。 著者の人柄の良さがにじみ出てる 青木省三さんは精神科医です。専門は思春期青年期精神医学と精神療法です。ので、本書で引用されている例は思春期~20代…

書籍レビュー: 何だよ自分やっぱりアスペルガーじゃん『アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか? 大人の発達障害を考える』 著: 米田衆介

★★★★★(ノ≧ڡ≦)てへぺろ 著者の米田衆介氏は明神下診療所の院長です。実はこの人、8年ほど前に私にアスペルガー障害であると診断を下した医者です。自閉症・アスペルガー関連の書籍を探していたらなんと明神下診療所の院長が本出してる!けしからん!これは読ま…