六帖のかたすみ

DVを受けていた男性。家を脱出して二周目の人生を生きています。自閉症スペクトラム(受動型)です。http://rokujo.org/ に引っ越しました。

[小説・エッセイ・漫画]

書籍レビュー: 『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』 永田カビ

★★★★★ レズ風俗のレポというよりも、作者の心象風景がメインとなる作品です。 人生で一度でも挫折の経験がある人は、彼女の根底にある真っ暗なものとシンクロして、心が揺さぶられるのではないかと思います。個人的には、以前自己評価がマイナスになっていた…

書籍レビュー: 自分に正直であれ『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』 著:赤城大空

★★★★★ 2012年発売。仕事用にセレクトしました。ラノベを読むのは18年ぶりです。中学生のとき、友人に押し付けられたこの本→スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)を読んで以来、ラノベには抵抗がありました。面白くなかったのです。 仕事用の課題図書には…

書籍レビュー: 朗読CD10作品 芥川龍之介・浅田次郎・池波正太郎など

芥川龍之介 橋爪功『河童』|新潮社 ランニング中や料理中に時間を有効活用するため、朗読CDを聞いています。スマホにジップロックをつけて防水し、風呂でも聞いてます。CD1枚だとせいぜい短編1つ、文庫本50~100P分くらいでしょう。累計10作品になったので…

書籍レビュー: 人はなぜランニングキチになるのか『BORN TO RUN 走るために生まれた』 著:クリストファー・マクドゥーガル

★★★★★ 箱根駅伝が好きで10年くらい前から毎年見ています。しかし今年はやや複雑な思いでレースを眺めていました。 箱根駅伝って、本質的には孤独なはずのランナーに商業主義と大学の伝統という二大うざい要素を被せられマラソンへの適応も阻害されるという害…

書籍レビュー: 常識人は意識してクラクラする 『プチ哲学』 著:佐藤雅彦

★★★☆☆(巻末対談の一部分だけ★★★★★) クラウドワークスでとあるライティング業務のトライアルに引っかかったので、大慌てで課題図書のうちすぐ読めそうで興味のある本を調べ、図書館まで自転車飛ばして借りてきて、大急ぎで全部読んで記事を書き上げました。…

書籍レビュー: 発酵する物語『ピンザの島』 著:ドリアン助川

★★★★☆ 刊行は2014年2月。最近の小説も読んでみようと思いamazonで適当に評価が高そうなやつを選んでターゲットにしました。といっても完全なランダムというわけではありません。ドリアン助川さんは前住んでいた家で取っていた新聞に時々人生相談で登場してお…

書籍レビュー: 日本人って執着し過ぎじゃない!?『幽霊画談』 著:水木しげる

★★★★★ 先月末に亡くなった水木しげる先生の追悼の想いを込めて読みました。私は水木サン大好きでした。連続テレビドラマ小説のゲゲゲの女房も見ました。ドラマはいまいちだったけど。 幽霊について大量のカラー絵と水木サンの解説が収録されています。水木サ…

書籍レビュー: モルギアナさんの裁縫『少年少女世界の名作文学 古典1』 小学館

★★★☆☆ 横になっちゃった 近くの公民館に『少年少女世界の名作文学』全集が揃っていました。 荘厳な眺めです。こういうのを見ると手に取りたくなりますよね。様式美ですよね。こども用の文学全集というのはだいたい昔に編集されたものですので、概して文章が…

書籍レビュー: 小さき光 『紺』 著:c71

追記:『紺』電子書籍版が出版されました。 c71.hatenablog.com ★★★★★+わたしがはてなダイアリーからはてなブログに移行したのは数か月前のことです。はてなブログには人気記事一覧と言って直近のブログトップランカー四天王がトップページに表示されます。…

書籍レビュー: 変身!『ギリシア神話』 訳・編:石井桃子

★★★★★ rokujo.hatenadiary.com ここで関連書籍として紹介した「ギリシア神話」です。石井桃子さんは2008年に亡くなった有名な児童文学者・翻訳家です。101歳まで生きてます。 原著はイギリス・アメリカの子供向けギリシア神話本です。 Favorite Greek Myths …

書籍レビュー: 『ふたりのロッテ』 著:エーリッヒ・ケストナー

(•ө•) 題名だけ知っていたので興味で読みました。 ケストナーの語り口調には癖がありそれが独自性といい味を出しています。高橋健二さんの訳もじょうず。 離婚話ですので子供に読ませるのは不適当ではないかとの声もあったそうですがケストナーは次のような…

書籍レビュー: 昔の人の精神に感服『名著復刻 日本児童文学館 23トテ馬車 ほか5冊』 著:千葉省三ほか5名

★★★★★ヽ( ε∀ε )ノ 児童文学読まなきゃ いくつか小説を読んで考えました。 私はそもそも子供のときに全然物語を読んでいませんでした。せいぜい道徳の授業中に内職して授業でやらない所ばっかり読んでいたくらいのものです。あとは小5の時図書室にあった「吾…

書籍レビュー: 砂穴の中にいるのは私達だった 『砂の女』 著: 安倍公房

★★★★★(°ω°) 私は小説をあまり読んでこなかったので、まず一般的に強く勧められている作品から読んでいきます。自分の好みなんてものは嫌でも後でついてくるでしょうから、当面のあいだは何も考えず受動的に「有名な」ものを読みます。という気持ちでこの小説…

書籍レビュー: こどもたちに捧ぐ『二十四の瞳』 著:壺井栄

★★★★★ 8月ですので 戦争関連の小説を一つセレクトしました。小説はまず名作から読んでいくつもりです。本作は何度もドラマ化・映画化されている超有名作ですのでいまさら感がありますが、原作は読んだことがありませんでした。 作者の壺井栄(1899-1967)は香…

書籍レビュー: 自伝的耽美うつ病小説『車輪の下に』 著:ヘルマン・ヘッセ 訳:秋山六郎兵衛

★★★★★ 小説もたくさん読んでみたいですが私は漫画ばかり読んで小説をあまり読んでこなかったので、古典的名作を中心に読んでいこうと思います。 日本では有名だが実は作者が若いころの作品 著者のヘルマン・ヘッセ(1877-1962)は20世紀前半のドイツ文学者の代…

書籍レビュー: 原作を凌駕するクズ達による魅力的な 『NHKへようこそ!』 漫画: 大岩ケンヂ 原作:滝本竜彦

★★★★★ 数年前にこの漫画を読んで何カ所か衝撃を受けました。いま読み返してみると、細かい点で気になるところはあるけれど、優れている。何が優れているのか自分なりにできるだけ解釈していきます。 ダメ人間のためのひきこもり漫画 大学を中退して引きこも…

真山仁 - ハゲタカ

Amazon.co.jp| 新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫)| 真山 仁| 講談社 Amazon.co.jp| 新装版 ハゲタカ(下) (講談社文庫)| 真山 仁| 講談社 ★★★★☆ 経済に興味が出てから、以前ドラマ版を見たことがあったこの作品をどうしても読みたかったので手に入れて読んだ…